山林を相続したら相続税はいくら?評価方法から節税のコツまで徹底解説

山林を相続した場合、相続税はいくらになるのか、多くの方が不安を抱えています。

山林の相続税は評価方法をはじめ、立地条件や利用状況により異なります。また、立木の評価や相続手続きにかかる費用も把握しておかなければなりません。

本記事では、山林の相続税評価方法から立木の扱い、手続き費用、そして相続するメリット・デメリットまで、山林を相続する予定の方に向けて、わかりやすく解説します。

正しい知識を身につけ、適切な相続対策を立てましょう。

山林の相続税はいくら?山林の相続税評価方法

山林を相続する際の相続税額は、評価方法により変わります。立地条件や利用状況で異なるため、正確な知識を持つ必要があります。

山林の種類

山林の相続税評価は、主に以下の3種類に分類されます。

種類説明
純山林市街地から離れた場所にあり、宅地としての利用価値がほとんどない山林
中間山林市街地近郊に位置し、純山林よりも価値が高い山林
市街地山林都市計画区域内に存在し、宅地への転用可能性が高いため、他の山林よりも価値が高く評価される

これらの分類は国税庁の評価基準に基づいており、相続税の計算において重要な判断材料です。立地条件により評価方法や評価額が大きく異なるため、自分の相続する山林がどの分類に該当するかを正確に把握することが相続税対策の第一歩です。

評価方法の概要

山林の相続税評価は、種類に応じた評価方法で算出されます。

山林の種類評価方法計算式例
純山林倍率方式固定資産税評価額 × 評価倍率
中間山林倍率方式固定資産税評価額 × 評価倍率
市街地山林倍率方式または宅地比準方式固定資産税評価額 × 評価倍率 など

宅地比準方式は、市街地山林を宅地に転用した場合の価額から造成費用を差し引いて評価します。

評価倍率は国税庁のホームページで公開されており、地域により異なる数値が設定されています。実際の評価では、固定資産税の課税明細書や固定資産税評価証明書から分かる評価額を基に計算することを覚えておきましょう。

山林の立木も相続税評価の対象になる?

山林を相続する場合、土地だけでなく立木(樹木)も相続財産として評価されます。山林相続の際には、立木の評価方法を理解しておくことが大切なので解説していきます。

立木の評価が必要なケース

山林の立木が相続税評価の対象となるのは、主に売却価値がある場合や特定の樹種・樹齢により経済的価値が認められる場合です。杉や檜などの商業価値の高い樹木が多い人工林や、良質な広葉樹が育成している天然林は、評価対象となりやすい傾向にあります。

立木の評価は、同じ樹種や樹齢のまとまり(1団地)ごとに行われ、樹木の状態や成長度合いにより評価額が決まります。林業経営が行われている山林や、木材として販売できる立木がある場合は、評価対象となるため注意が必要です。

立木の評価方法

立木の相続税評価は以下の算式に基づいて計算されます。

「主要樹木の標準価額 × 地味級 × 立木度 × 地利級 × 森林の地積」

主要樹木の標準価額は国税庁が定める基準価格を指し、樹種ごとに異なる価格が設定されています。

評価説明
地味級土壌の肥沃度を示し、立木の成長に適した環境かどうかを評価する係数
立木度樹木の生育密度を表し、密集度合いにより価値が変動
地利級伐採・搬出の難易度を示す係数

特例として、庭園にある立木は庭園設備の一部として一括評価される場合があります。価値の低い雑木や小規模な立木は細かく評価をされないこともありますが、経済的価値が明確な場合は必ず申告が必要です。

山林の相続の手続きにかかる費用はいくら?

山林相続では登録免許税、専門家報酬、書類取得費など複数の費用が発生します。相続手続きを進める前に、これらの費用を把握しておくと円滑に手続きを進めることができます。

費用項目金額目安
登録免許税評価額の0.4%
司法書士報酬3〜22万円
書類取得費用3,000円前後
測量費用広さや状況による※境界確認が必要な場合のみ
行政書士報酬7〜8万円
税理士報酬遺産総額の3%
※税理士により異なるので要確認

費用節約をしたい方は、オンラインでの登記申請、また山林経営継続による相続税の納税猶予制度の利用がおすすめです。

山林を相続するメリット・デメリット

山林相続には多くのメリットがあります。ただ、管理コストや売却の難しさも存在します。ここでは、山林を相続することのメリット・デメリットを解説します。

山林を相続するメリット

メリット内容
収益化の可能性• 木材の伐採・販売による収入
• 山菜やキノコ採取業者への許可料収入
• 斜面を活用した太陽光発電事業の展開
• キャンプ場や別荘地としての整備・賃貸
税制優遇• 特定森林経営計画に基づく相続税猶予制度
資産活用の多様性• 整地後の駐車場やトランクルーム転用
• 環境保全活動による社会貢献や地域連携

このように山林は適切に活用すれば収益を生み出すことも可能です。以下で山林の活用方法を詳しく説明しているので確認してみてください。

山林を相続するデメリット

デメリット内容
管理コストの重圧• 固定資産税の支払い負担
• 除草・間伐などの定期的な維持管理
• 土砂崩れ防止などの安全対策
売却困難性• 山林の低価格相場
• 買い手不足による売却機会の限定
• 立地条件による価値の大幅な変動
リスク要因• 不法投棄による環境汚染と所有者責任
• 自然災害による損害賠償リスク
• 世代を超えた管理負担の継承問題

山林所有には継続的な管理責任と費用負担が伴います。所有者は、災害時の責任や不法投棄対策などの予期せぬリスク対応も必要です。

相続を検討する際は、デメリットも十分考慮して慎重に行いましょう。

まとめ

山林の相続税は、山林の種類(純山林、中間山林、市街地山林)や立地条件、利用状況によって評価方法が異なり、税額も変動します。

また、立木も評価対象となる場合があり、その評価は樹種や生育状況に基づき算出されます。相続手続きには登録免許税や専門家報酬などの費用が発生します。

山林相続には収益化や税制優遇のメリットがある一方、管理コストや売却の難しさ、自然災害のリスクといったデメリットも存在するため、慎重な検討が必要です。

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