原野商法の二次被害は、過去に原野商法で被害に遭った方やその相続人を狙う新たな詐欺行為として、深刻な社会問題です。特に高齢者を狙った被害が急増しており、手口も年々巧妙化しています。
本記事では、原野商法の二次被害の具体的な手口から、被害を防ぐための対策、さらには被害に遭ってしまった場合の相談窓口まで、詳しく解説します。
原野商法の被害でお困りの方はもちろん、ご家族や周囲の方々にも知っていただきたい情報をお届けします。
この記事の目次
原野商法の二次被害とは?
原野商法の二次被害は、過去に原野商法で土地を購入した被害者やその相続人を対象とした新たな詐欺手口です。「不要な土地を高額で買い取る」という口実で接触し、測量費用や各種手続き費用の名目で金銭を詐取する手口が横行しています。近年では高齢者を中心に被害が拡大し、その手口も巧妙化しています。
原野商法の基本的な仕組み
原野商法は、価値のほとんどない山林や原野を投資や資産運用に適した土地であると偽って販売する詐欺的な不動産取引です。
悪質業者は、架空の開発計画や道路建設計画を提示して、土地の将来価値を過大に説明します。「この地域は必ず発展する」と訴求したり、「値上がり確実な一等地」として販売したりする手口が一般的です。
土地の実態を確認せずに契約してしまった購入者は、人里離れた場所にある価値の低い土地を購入してしまいます。このような詐欺的な手法で購入した土地は、転売も利用も困難で、固定資産税の支払いだけが続く不良資産となります。
バブル期以前に多発した原野商法の被害者が、現在では二次被害のターゲットとして狙われておりますので、次の章で解説します。
二次被害が発生する理由
原野商法の被害者が二次被害に遭うケースが増加している背景には、不良資産を抱える所有者の切実な事情があります。価値のない土地は一般的な不動産会社での取り扱いが難しく、行政への寄付も受け付けてもらえないため、所有者は処分に困り果てています。
このような状況を知る悪質業者は、土地売却の相談に乗るふりをして被害者に接触します。高齢者を中心に接触し、土地の測量費用や各種手続き費用などの名目で新たな金銭を詐取するのが主な方法です。
近年では手口が巧妙化し、下取り型やサービス提供型など多様な方法で被害者を誘導します。相談件数は年々増加傾向にあり、消費者センターへの報告は2017年以降年間1500件を超えています。
巧妙な手口と被害者の切実な事情が重なり、被害が拡大しているといえるでしょう。
原野商法の二次被害でよくある手口
原野商法の二次被害では、「高額買取」「測量費用請求」「価値向上の手続き」など、巧妙な手口が使われています。これらの手口は年々多様化し、手口の特徴を知ることが被害防止の第一歩です。
ここでは、よくある手口を解説しますので参考にしてみてください。
「高額で買い取る」と言われる詐欺
不要な土地を「高額で買い取る」と持ちかける手口は、原野商法の二次被害で多く見られる手法です。業者は「土地が高く売れる」と説明し、売却契約を結ぶように誘導します。
ところが実際には、売却契約だと思い署名した書類が新たな土地の購入契約書であったり、売却の条件として自宅を明け渡すよう要求されたりします。この手口の特徴は、被害者が気づかないうちに新たな金銭的負担を負わされる点です。
「測量費が必要」と言われる詐欺
悪質業者は土地の売却を持ちかけた後、「売却には土地の正確な測量が必要」と説明して高額な測量費用を請求します。売却のために必要な手続きだと信じ込ませ、測量サービスの契約を結ばせます。
実際には売却の見込みのない土地に対して不要な測量を行い、その費用を詐取するのが目的です。「測量をしないと土地が売れない」という説明は全くの虚偽であり、価値のない土地に測量は不要であることを覚えておきましょう。
「土地の価値を上げるために手続きを」と言われる詐欺
この手口では、土地の価値を向上させるという名目で様々な費用を請求されます。「整地や地盤調査が必要」「税金対策の手続きが必要」などと複雑な説明を行い、高額な費用を要求するのが特徴です。
中には新たな土地の購入を勧められるケースもあります。これらのサービスは実際に土地の価値向上に全くつながらず、被害者から金銭を搾取する手段として悪用されています。
「特別なルートで売却できる」と言われる詐欺
悪質業者は「特別なルートで土地を高く売却できる」と持ちかけ、被害者の期待を煽ります。「大手企業の開発計画がある」「有力な買い手がついている」などと説明し、被害者の信用を得ようとします。
また、「値上がり確実な土地」と称して、問題のある新たな土地の購入を勧めるケースもあります。こうした業者の主張は全て虚偽であり、実際には売却の見込みは全くありません。
原野商法の二次被害を防ぐためのチェックリスト
原野商法の二次被害から身を守るには、怪しい勧誘の特徴を把握し、具体的な対策を講じることが必要です。特に高齢者を狙った被害が増加しております。
ここでは防止策を解説しますので、参考にしてください。
高額売却の話は疑う
不要な土地を「高額で買い取る」という話を持ちかけられた場合は、要注意です。「今なら格安で買える」「将来的な値上がりが確実」といった説明や、「特別な買い手がいる」「大規模な開発計画がある」などの話は、詐欺の典型的な手口です。
即決を迫られても、必ず考える時間を取り、内容を精査しましょう。うまい話には必ず落とし穴があります。
お金を請求されたら即対応をやめる
土地売却の話が進む中で「手続き費用」「税金対策費用」などの名目で金銭を請求された場合は、詐欺の可能性が高いです。特に、測量費用や整地費用といったサービス提供を求められる場合は注意が必要です。
また、契約内容の説明が不明確なまま費用を請求されたり、売却の話が新たな土地購入の勧誘に変わったりした場合は、直ちに対応を取り止めましょう。
必ず専門家に相談する
不審な勧誘を受けた場合は、決して一人で判断せず、家族や消費生活センターに相談しましょう。契約書の内容が複雑で理解が難しい場合は、弁護士などの法律の専門家に相談するのもおすすめです。
また、業者の信頼性を確認するため、消費者庁や国土交通省のホームページで事業者情報を確認することも有効です。
仮に契約後で合っても、クーリングオフの可能性を専門家に確認して進めましょう。
もしも騙されてしまった場合の対処方法
原野商法の二次被害に遭ってしまった場合も、適切な対応を取ることで被害を最小限に抑えられます。時間の経過とともに解決が難しくなるため、気づいた時点で速やかに行動を起こしましょう。
クーリングオフ制度を利用
原野商法の二次被害では、取引形態により異なるクーリングオフ制度が適用されます。宅地建物取引業者による宅地販売の場合は宅建業法、それ以外の場合は特定商取引法に基づくクーリングオフが可能です。
ただし、土地の引き渡しと代金の全額支払い後は適用されない場合があります。
契約書を受け取った時点で速やかに専門家に相談し、書面での意思表示を行うことが重要です。クーリングオフは法定の期間内に手続きを行う必要があり、一度期間を過ぎてしまうと権利を行使できなくなることを覚えておきましょう。
被害に遭った場合の相談窓口一覧
原野商法の二次被害に遭った場合、複数の相談窓口が用意されています。最も利用しやすい窓口は、全国の消費生活センターです。消費者ホットライン「188(いやや)」に電話をかけると、お住まいの地域の消費生活センターに繋がり、専門の相談員から具体的なアドバイスを受けることができます。
また、国民生活センターや弁護士事務所、警察にも相談が可能です。特に法的な対応が必要な場合は、原野商法の被害に詳しい弁護士に相談することで、適切な解決策を見つけることができます。
まとめ|原野商法の二次被害に巻き込まれないために
原野商法の二次被害は年々増加し、特に高齢者が標的にされています。被害を防ぐには、不審な勧誘を見分けるポイントを理解し、早期に専門家へ相談することが重要です。
ここで解説する以下のポイントを押さえて、被害を未然に防ぎましょう。
怪しい話はすぐに断る勇気を持つ
原野商法の二次被害を防ぐ第一歩は、怪しい勧誘を見分けて断る判断力を持つことです。「高値で買い取る」「どんな土地でも買います」という話や、「隣の土地もセットで買えば高額で売却できる」といった条件付きの勧誘には注意しましょう。
また、「整地費用が必要」「測量が必要」など、前金を要求される場合も詐欺の可能性が高いため、きっぱりと断る必要があります。即決を迫られても、必ず考える時間を確保しましょう。
専門家に相談して正しい知識を得る
不審な勧誘を受けた場合は、一人で判断せず、まず家族や消費生活センターに相談しましょう。消費生活センターでは、加害者との自主交渉の方法や具体的な解決策について、専門家からは適切なアドバイスを受けることができます。
状況に応じて、原野商法の二次被害に詳しい弁護士への相談も視野に入れましょう。最新の被害事例や対策情報を確認しておき、焦らず対応することが重要です。