原野と山林の違いとは?雑種地との違いも合わせて解説!

原野と山林は、一見似ている土地区分ですが、実際には異なる特徴を持っています。

土地の地目によって、固定資産税の評価や建築の可能性、相続時の取り扱いが変わるため、正確な知識が必要です。

そこで本記事では、原野と山林の定義、課税評価、活用方法について詳しく解説します。

地目「原野」と「山林」の違い

土地の地目において、原野と山林は異なる特徴を持ち、生育している植物の種類や土地の利用目的によって明確に区別されます。

ここでは、「原野」と「山林」の定義について解説するので違いを見ていきましょう。

原野の定義

原野は、雑草やかん木が生育している、耕作されていない土地です。一般的に、原野は自然のままの状態であり、農業や林業の目的で利用されていません。

このため、原野は開発や利用が進んでいない地域に多く見られます。将来的には農地や宅地に転用される可能性も秘めている土地としても位置付けられています。

山林の定義

山林は、竹や樹木が生育している土地を指します。純山林、中間山林、市街地山林の3つのカテゴリーに分類され、それぞれ異なる評価額が設定されています。

純山林は評価額が低く、市街地山林は市街化区域内に位置するため評価額が高いです。山林は、森林資源の保護や木材生産、生態系維持に重要な役割を果たす土地として定義されています。

地目「雑種地」との違い

雑種地は、山林や原野とは明確に異なる土地区分として位置づけられています。他の23種類(※)の地目に該当しない土地を指し、遊園地、運動場、ゴルフ場、テニスコート、プール、鉄塔敷地、変電所敷地など、多岐にわたる用途の土地を包括します。

(※)田、畑、宅地、学校用地、鉄道用地、塩田、鉱泉地、池沼、山林、牧場、原野、墓、境内地、運河用地、水道用地、用悪水路、ため池、堤、井溝、保安林、公衆用道路、公園、雑種地

山林が大木、原野が低木や雑草に特徴づけられるのに対し、雑種地は特定の植生に限定されない点が特徴です。評価は、土地の利用状況や周辺環境により個別に判断されます。

山林と原野の課税評価

土地の課税評価は、立地や環境により変動します。山林と原野は、それぞれ独自の評価基準を持ち、地理的条件や利用状況によって課税額が決定されます。

ここでは、山林と原野の具体的な課税評価の仕組みを詳しく解説します。

山林の課税評価

山林の課税評価は、立地と周辺環境により以下表にまとめた3つに分類されます。

分類詳細
純山林市街地から遠く離れた場所で、宅地の影響を受けない山林。評価額が最も低くなります。
中間山林純山林と市街地山林の中間に位置する山林。
市街地山林市街化区域内にあり、住宅地に隣接するような山林。評価額が最も高くなります。

その他にも、保安林指定などされると固定資産税が非課税になり、相続税も優遇されます。

原野の課税評価

原野の課税評価は、立地条件により純原野、中間原野、市街地原野の3つに分類されます。

分類詳細
純原野市街化調整区域内にあり、主要な公道から離れ、開発が困難な土地。評価額が最も低くなります。
中間原野市街化調整区域内にあるが、ある程度開発が進んでいる原野。
市街地原野市街化区域内に存在する原野で評価額が最も高くなります。

その他にも、特別緑地保全地区・近郊緑地特別保全地区に指定されると固定資産税が最大1/2に減額され、相続税評価額も低くなる可能性があります。/

原野・山林は固定資産税がかからない?

原野や山林の固定資産税は、土地の評価額や立地条件により異なります。固定資産税の免税点は30万円未満と定められており、この基準以下の土地では課税されない場合があります。

ただし、固定資産税が課税されない土地であっても、相続税の対象になるため、土地所有者は注意が必要です。

また、土地の評価額は、周辺の開発状況や利用形態により変動する可能性があるため、定期的に確認しましょう。

原野・山林に家は建てられる?

原野や山林に家を建てることは可能ですが、法的な手続きと制限の確認が必要です。建築後は1ヶ月以内に地目を宅地に変更し、市街化調整区域や農業振興地域では建築が制限されます。

家を建てるためには、地域の都市計画や法規制を事前に確認し適切な手続きを踏むことが重要です。原野・山林に家を建てることを検討している方は専門家や関係機関に相談するのがよいでしょう。

山林に家を建てることをお考えの方は、以下の記事で、より詳しく解説しておりますので参考にしてみてください。

まとめ

原野と山林は、単なる土地区分ではなく、複雑な法的・税務的側面を持つ地目です。生育する植物、立地条件、課税評価は異なり、土地活用には専門的な知識が求められます。

建築や相続、固定資産税においても注意点が多くあり、特に原野や山林に家を建てることを検討しているかたは専門家へのご相談をおすすめします。

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